おじさんとの邂逅 in ミュンヘン
(コンテンツの関係上、noteっぽく書いていきます。)
12月の末、私は12日間に及びイタリア→スイス→ドイツを旅行したのだが、中でも印象に残っているのはミュンヘン滞在3日目の出来事だ。
その名も、「おじさんとの邂逅 in ミュンヘン」。
この回は、
- 海外で知らない人について行ったらどうなるか
- いかに「嫌だと思ったらはっきり断ること」が大事か
を知りたい人にとてもおすすめな記事となっております⭐︎
あまりにおバカな内容なのですが、引いたりしないでくださいね⭐︎
もしくは、引いても温かい目で見守ってください⭐︎
ーーーーー
その日は確か、
おしゃれなカフェでドイツっぽい朝食(つまり、チーズとサラミとすっごい密度の重めのパンが入ってるイメージ)を取ったあと、
旧市庁舎でからくり時計が動くのをホットワインを飲みながら鑑賞して、
色んな教会を渡り歩いて写真撮りまくっていた。
そして夕方になり陽が落ち始めた頃、オペラハウスの前で写真を撮っている時、私は一人のおじさんと出会ったのである。
「写真撮ってもらってもいい?」
と聞かれ、私はスリを警戒しつつ写真を撮ってあげた。
写真を撮るのに意識を取られている間に他の仲間のスリにケータイだか財布だかを盗られる可能性も無きにしも非ずなのだ(大学のオリエンテーションでスリのビデオを見せられたのでよく覚えている)。
おじさんは見た目40~50台、私より少し低いくらいの身長で、恰幅の良さげな人だった。
写真を撮ったあと、彼は自分がイタリア人であること、来年日本に旅行しようとしていることなどを教えてくれた。
「だから、日本人の友達をたくさん作ろうと思ってるんだよね!」
「今日も、AirBnBで自分の住んでる地域を紹介するための写真を撮ってるんだ」
そして、
「よかったらあそこの〇〇(なんか有名な観光施設とか美術館)を案内しようか??」
と申し出てくれた。
「知らない人にはついて行ってはいけない」というのは常識だけど、
警戒心の異常に薄いおかかという人間は、
「案内してもらえるんならラッキーじゃね?人通りも多いし誘拐とかもなさそう」
という案直な考えのもと、ついていくことにした。
それに、英語うまいねだとか褒めてくれたり日本人の知り合いができて嬉しいだとか、この前も日本人の大学生集団と会って話したんだよとか聞いたのも、ある程度心を許してしまった要因の一つだと思う。
おだてられて気を許すとは、、、軽い人間である。
豆知識を教えてもらったり写真を撮ってもらえたり、確かに楽しい時間を過ごせて、うわ〜いい人だな〜と思っていた。
おめでたいやつだ。
雲行きが怪しくなってきたのは日も暮れてきて、目当てだった美術館に行く時間もなく疲れてきた頃だった。
「僕の家に美味しいティラミスがあるから、食べに行こう」
おっと???
この時点で、ついて行ったら危ないだろうなとはわかっていたけどなぜかおかかはついていくことにした。
きっと、歩きすぎてあまりにも疲れていて脳の理性を司る部分が活動をボイコットしてたんだと思う。
あとは、食べに行かない?と言う聞き方じゃなくて「食べよう」とさも決定事項かのように言うのも断りづらかった。
言い訳ですね、すみません。
彼の家は大きなアパートといった感じで、エントランスに入るときはもしもの時の逃走経路を確認していた。今となっては、「そんなことしても本当に緊急事態の時は意味ないんじゃね」とわかってるけど。
そして、部屋に入ったあとスマホの充電をさせてもらったりしてると、おじさんがティラミスと一緒に自分のアルバムだかを持ってきて、今までの思い出の写真を見せてくれた。
聞いてる分にはほのぼの異文化交流〜って感じだけど、その時の私は「なぜこんなところに来てしまったんだろう」という後悔と、「いつ帰れるかな…!!!」という不安でいっぱいだった。
でも出されたティラミスとRadler(レモンスカッシュが入ったビールで超飲みやすい)は完食した。
「出された食べ物は食べきる」がモットーだから仕方ない。
おめでたいやつだ。(2回目)
ティラミスは見るからにスーパーとかで売ってるファミリーサイズで、4分の1ほどすでにおじさんが食べていた。
食べさしかい!!!!!!!
あの人直で食べたりしてないだろうな??食べてたらほんと最悪だな…。
それに、あの食べ物に薬とかが入ってたら私今頃死んでる可能性もあるんじゃね。
まあ終わったことはしゃーない。読者の皆さんは私をぜひ反面教師にしてください。
そのうち、ミュージックビデオがずっと流れていたテレビからクリスマスソングが流れてきた。確か、Last Chiristmasとかすっごいベタな歌だった気がする。
そこで彼が一言。
「踊ろうよ!」
(・ω・`)≡(´・ω・) んんん? What do you mean?
と思ってたら私は立たされていつの間にかハグされていた!!!!!
そして音楽に乗って緩やかにステップを繰り出すおじさん。
首もとに相手の息がかかったのを感じた時、私は宇宙を見た。
全ての感情を突き破って、とりあえずここから逃げたいという気持ちで埋め尽くされる。
(このせいでムーディーなクリスマスソングは私にとって軽いトラウマになった。)
なんとかやんわりやめてもらうと、まさかの発言が飛び出す。
「泊まって行きなよ???」というのである。
ありえねえ。
それはやばい。
いかに頭のゆるゆるな私でも身の危険を感じる。(遅い)
ハグだのダンスだのをする前、明日の朝旧市庁舎の展望台の観光案内するよと言ってもらっていたのだが、
「僕が明日の朝起きられるかわからないし、ここで君が泊まって行った方が一緒に現地まで行けて効率的じゃん」
ということでこの発言が飛び出した。
知らねえよ。
来なかったら来なかったで一人で楽しむわ。
そう言い捨てておかかは部屋から飛び出した!!!
という妄想はできても行動には移せない、それが私という人間なのだ。(悲しい)
ちゃんと断っても、不死鳥のごとき生命力でもって折れない。
これがイタリア人なのか?(イタリア人に失礼)
そこでまた爆弾発言。
「同じ部屋で寝るって言っても別にセックスをするわけじゃもちろんないよ、なんなら僕は別の部屋で寝るよ」
もう半泣きである。
安心させようと思っての発言なのか?
逆効果だよ!!!怖いよ!!!!
さらにおじさんは
「君が自分がシャイだって言うから誘ってあげてるんだよ、こんなのヨーロッパじゃ普通だよ」
と追撃してくる。
こんなこと言われたら、
私は確かにシャイだと言ったけれど別にヨーロッパスタイルを教えてくれなんて言ってないぞ!!!!!
と思いつつ、
私の英語がダメで伝えられてなかったのか?
…言ってないよね…?
え、私の英語のせい…?
と、自信もなくなってくる。
そして、
ここでOKしたら人間的に成長できるのだろうか?
これがコンフォートゾーンを抜け出すときなのか??
と無駄な成長意欲も出てくる。(馬鹿)
そして私はとうとう丸め込まれてしまった。(すっごい馬鹿)
ホステルに荷物取りに行ってくると言うと、じゃあ送っていくよ、40分後くらいに迎えにくるから!とホステルまで送ってくれた。
じゃあ本当におかかはおじさん宅で一夜を明かしたのかって言うとそうではない。
ここで私を救ってくれたのはInstagramだった。
ストーリーに顛末をシェアすると、同じくSOASに留学している友人が、
「絶対やめた方がいい」
「そんなの普通じゃない」
「知らない人を家に泊めたがる人間なんてヨーロッパでもいねえよ」
と言うめちゃくちゃまともなことを電話までして伝えてくれて、
私はやっと変な強迫観念から解き放たれた。
自分の「普通」だと思ってることでも、環境によっては簡単に見失う。特に私は注意しないと簡単に丸め込まれてしまうTop of ちょろい族の村長並みのちょろさの持ち主なんだなと気づいた。
友達の言葉は一気に客観的な視点をもたらしてくれて、丁寧にWhat's upでお断りのメッセージを送り、この出来事はここで終結を迎える。
このエピソードは私の中で「おじさんとの邂逅 in ミュンヘン」と命名されて、
ブログに書くのが楽しみで昨日は夜寝付けなかった。(やらかしは自ら喋ってウケを狙うタイプ。)
今でもわからないのは、このおじさんは本当に優しい人で泊めてくれようとしたのか、それとも…??ということである。
もし前者なら私は彼をホステルまで送らせた上でメッセージアプリで申し出を断るという超嫌なことをしてしまった人間だ。
でも終わってしまったのはしょーがない。次はもう二度とこんなことが内容に心に誓うだけだ。
皆さんも、一人で知らない人について行ったり、家に入ったり、ご飯食べたりお酒飲んだりしないようにしましょうね。
(当たり前だけどね。)
4:00PM 24th January 2020 Friday SOAS Libraryにて